生きる力 〜 注25

公開: 2020年4月13日

更新: 2020年4月13日

注25. ホモサピエンス

私たちは、アフリカ大陸で、チンパンジーと同じ祖先から誕生し、最初、木の上で生活していたサルの仲間でした。その祖先から少しずつ進化して、木から降りて、草原で立って歩くようになり、少しずつ大脳を大きくしながら進化しました。

進化の過程では、数多くの仲間が生まれましたが、そのほとんどは絶滅しました。そのような進化の過程で、最後に残ったのが、ネアンデルタール人とホモサピエンスでした。私たちはホモサピエンスです。ネアンデルタール人よりも少し後にアフリカで誕生したようです。

ネアンデルタール人は、ホモサピエンスよりも早く、アフリカ大陸を離れ、寒いヨーロッパ大陸に住み着きました。ネアンデルタール人は、身長は我々よりも低いのですが、骨格が頑丈で、筋肉も発達していました。目は碧(あお)く、金髪だったようです。

ホモサピエンスは、ネアンデルタール人よりも遅くアフリカ大陸で生まれ、その一部はアフリカ大陸に留まりました。しかし、一部のホモサピエンスは、ネアンデルタール人と同じようにアフリカを離れ、北へ進んで、ヨーロッパ大陸からアジア大陸へと移動しました。そのとき、現在のイスラエル近郊でネアンデルタール人とホモサピエンスが同じ地域に住んでいたことが分かっています。

あまり大きな違いがあったわけではありませんが、ネアンデルタール人は、寒冷期の地球で数を少しずつ減らし、ホモサピエンスだけが地球上に残りました。3万年くらい前のことです。ネアンデルタール人の集落は、人の数が少なく、そのことが絶滅した原因だと考える考古学者が多いそうです。ただし、現代人の私たちの遺伝子には、ネアンデルタール人の遺伝子が数パーセント残っているそうです。

つまり、ネアンデルタール人とホモサピエンスの混血が、現代に生きている私たちのようです。興味深いことに、現代のアフリカ大陸に生きている人々には、ネアンデルタール人の遺伝子を持っている人はいないそうです。

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